アーンヴァルARプリクエル「マルート」

超越公安組織「アリアンロッド」設立初期に運用された概念実証機。

悪意を持って動き、時に一般機を蹂躙する性能で牙を剥くアングラ系メガミへの対処、それもまた同様に力を与えられたメガミによってのみ成し得る事は自明の理であり、そのためにバトルホビーではなく純粋な戦力、抑止力としてのメガミを運用する特殊部隊。それこそが公安として求められた在り様だった。
その保有戦力、とりわけ象徴となるべき機体は運用に制限が生じるような外的影響力を受けない事が望ましく、且ついかなる機種に対しても必勝の性能である事が絶対条件とされた。これらを満たすには構造材や設計に至るまで一から十まで再構築する他なく、その研究開発用に２機の特別製メガミが試作された。その片割れがこの２号機・マルートであり、１号機・ハルートと共に「プリクエル」のコードネームが与えられ、改良とテストとがひたすら繰り返された。

ベースには治安維持部隊のシンボル的伝統としてアーンヴァル系を採用。各部にデータ収集・観測用装備を搭載し、反面武器はテストと緊急時用を兼ねた試作品少数のみと純粋な戦闘用ではないが、戦闘力は既に一般商用最強クラスの皇巫すら凌ぐ。
だが『商業利用を度外視した専用設計による超高性能モデルの開発』は選りすぐられた人材をして半ば手探り状態で、開発者曰く「現時点で完成度は良くて15％」。そのためまだ元のアーンヴァル系の面影を色濃く残している。

ある実地試験の日に所属不明のメガミ部隊の襲撃を受け、ハルートは原型を留めない程大破。
だが絶望的な戦力差ながら2機は敵部隊を殲滅しており、帰還したマルートとなんとか奪取を免れたハルートの残骸からは大量の有用なデータを得る事に成功。開発は飛躍的に進み、マルートによってテストが続行された事でついにプロジェクトは完成、「Type616」として結実。この系列機のみ全てにおいてアリアンロッド内で完結する特別な機体となった。

役目を終えたマルートは表向きモスボール保管された事になっているが、実は姉の無念と意思を継ぐために自ら616と同仕様への改装を志願している。プリクエルに関する情報はトップシークレットであるため、616の稼働機のうち一体どの個体が彼女なのかは定かではない。

使用パーツ
●アーンヴァル　トランシェ２　●FA　バルチャー　●MSG　エクシードバインダー　●MSG　フリースタイル・ガン　●コンシャスエイス様製　AG-5 汎用武装 脚部ギア